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武士の日々の所作で脚力が強化する 1日わずか5分で高齢期の筋力低下を防ぐ効果に期待

【本学研究者情報】

〇産学連携機構イノベーション戦略推進センター 
特任教授 永富良一
研究者ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 日本の武士が日々の所作で行っていた動作を現代に伝える礼法が脚腰を鍛える可能性は指摘されていましたが、科学的な検証は不十分でした。
  • 武士の礼法を基にした「反動をつけずにゆっくりとしゃがんで立つ動作」を3か月間続けることで、1日わずか5分でも脚の筋力が大きく向上することを明らかにしました。
  • この「しゃがんで立つ動作」は日常生活に取り入れやすく、高齢者になる前から脚の筋力を鍛え、高齢期の筋力低下を予防する手段の一つとして有望です。

【概要】

かつて武士の生活に欠かせなかった礼法の所作が、現代人の健康づくりに役立つことが明らかになりました。小笠原彩香(研究推進時:東北大学大学院医学系研究科大学院生)、佐藤明(研究推進時:同非常勤講師)、東北大学産学連携機構未来社会健康デザイン拠点長永富 良一 教授(研究推進時:大学院医工学研究科)らの研究チームは、礼法に基づくしゃがんで立つ動作を用いたトレーニングを3か月間実施すると、脚筋力が平均で25%以上向上することを確認しました。1日5分程度の短い運動で効果が得られるため、無理なく続けやすいことが特徴です。日常生活に取り入れやすく、高齢期の転倒や筋力低下を防ぐ新しい方法として期待されます。

本研究結果は2025年8月18日に科学誌The Tohoku Journal of Experimental Medicineに掲載されました。

図1. 礼法トレーニングの動作 (a)礼法のしゃがむ?立ち上がり動作、(c)礼法の椅子への着座?立ち上がり動作
一般的な動作の例 (b)一般的なスクワットトレーニング動作の例、(d)一般的な椅子への着座?立ち上がり動作の例

【論文情報】

タイトル:A Traditional Japanese Samurai Movement Rei-ho as a Knee Extension Strength Training: A Randomized Controlled Study
(礼法が膝伸展筋力に与える影響)
著者: Ayaka Ogasawara, Akira Sato and Ryoichi Nagatomi*
*責任著者:東北大学産学連携機構 特任教授 永富良一(ながとみ りょういち)
掲載誌:The Tohoku Journal of Experimental Medicine
DOI:10.1620/tjem.2025.J099
URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjem/advpub/0/advpub_2025.J099/_article/-char/ja

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学産学連携機構イノベーション戦略推進センター
未来社会健康デザイン拠点
特任教授 永富 良一
TEL: 022-752-2191
Email: ryoichi.nagatomi.c4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学産学連携機構イノベーション戦略推進センター
事務支援室
TEL: 022-752-2188
Email: promo-innov*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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